海野絵里香 (Tabeedge代表)
Tabeedge(タビエッジ)
“旅=自分を成長させるもの”と捉え、挑戦する女性たちの背中をそっと押すために生まれたブランド。
今回は、Tabeedgeを手がける株式会社umigon代表・海野絵里香さんに、ブランド誕生の背景や旅に込めた想いを聞きました。
「営業代行の私」から「Tabeedgeの私」へ
―― まずは自己紹介と現在のお仕事について教えてください。
株式会社umigon代表の海野絵里香です。会社は今年で3期目になります。
1〜2期目は、toC・toB向けの営業代行事業を主な柱としてやってきました。
2期目の途中から、現在のアパレル事業「Tabeedge」をスタートしています。
独立前は、3年間大学病院で理学療法士として働いていました。
整形外科を中心に診療を担当し、バレエリーナの身体機能に関する学術論文も書いていました。
旅の力を、もっと多くの人へ届けたい
―― Tabeedgeを作った背景を教えてください。

Tabeedgeを立ち上げた一番の理由は、
「旅が持つ力を、より多くの人に感じてほしい」 という想いです。
私の最初の海外体験は、中学2年生のときの韓国でした。
その後、オーストラリアへの留学、さらには住んでいた家を突然解約し
キャリーケース1つで半年間旅をするなど、
これまで本当に多くの国と文化に触れてきました。
旅をすると、自分の常識が通用しない場面に何度も出会います。
空港に着いた瞬間「どっちに進めばいいの?」と戸惑ったり、
言語が通じず身振り手振りで突破したり——
その瞬間ごとに、自分の力で乗り越えていかなければなりません。
けれど、その 【非常識の中で生きる時間】こそが、経験値を一気に上げ、
価値観を大きく広げてくれる瞬間 でもあります。
そしてそれは、実際に一歩踏み出した人だけが味わえる、かけがえのない感覚です。
ただ現実には、
・言語や知らないことへの恐怖
・金銭的な不安
・仕事の休みが取れない
など、旅へ踏み出せない理由がたくさんあります。
後者2つ(お金と仕事)を今すぐ私ひとりが解決することは難しい。
しかし、
「知らないことへの恐怖」なら、減らせるかもしれない。
そう思いました。

そしてもう一つ、私が旅をするときに感じてきた 小さなストレス の積み重ねが
Tabeedge誕生のきっかけになりました。
ハワイへ行ったとき、現地に早朝到着して空港に着いた瞬間、
多くの人がキャリーケースを広げて空港のトイレで着替えている光景を目にしました。
(私もその一人でしたが、すごく恥ずかしかったです笑)
また、海外で日本人に会うと
「なんか服がダサい…」「危なっかしい…」
と違和感を覚えることが多かったんです。
防犯対策としても、スリに遭いやすい格好だと感じました。
そのときに
「機内から現地観光まで、まるっと1着で“おしゃれ”と“ラク”を叶えられる服があったらいいのに。」
旅の不安やストレスが、
“服”という日常的な存在の力で軽くなるのなら、
もっと多くの人が旅に踏み出せるようになるかもしれない。
と思いました。
なので
「この1着さえあれば、どこにいても大丈夫」
そう思ってもらえる旅服を作ろう動き始めたのがキッカケです。
自己紹介だけで終わった苦い経験
もう一つ、立ち上げを決めた強烈なキッカケが
「自分のアイデンティティが欲しかった」という想いです。
ある時、とても濃いメンバーが集まる飲み会があったんです。
投資家、プロサッカー選手、IT企業の社長、インフルエンサー、そして私。
「何このメンツ?」っていう感じですよね(笑)
私は初対面だったので、
「初めまして。営業代行事業をしています、海野です」
と挨拶をしたのですが、その後の約2時間の食事で、
私の“出番”はその一文だけでした。
それが、ものすごく悔しかったんです。
もちろん、営業代行は素敵な仕事です。
でも、どこか自分の中でしっくり来ていなかったんだと思います。
この強烈な出来事がきっかけで、
「自分の名前とセットで覚えてもらえるような仕事がしたい」
と思うようになりました。
アパレル経験ゼロ。先生はChatGPT
―― まったくの未経験から、どうやって一歩目を踏み出したのですか?

実は私、アパレル業界で働いたこともないし、事業としてやったこともゼロ。
アパレル用語すらわかりませんでした。本当に“ど素人”です。
なので、まずやったのは
ChatGPTに「アパレルの立ち上げ方を教えて」と聞くこと。
そこで出てきたステップに沿って、ひたすら進めました(笑)
コンセプトづくり、ペルソナ設計、資金調達の考え方まで、
最初は全部AIに教えてもらいました。
でもそれくらい、“とにかくやってみよう”という感覚でしたね。
―― 不安や迷いはなかったのでしょうか?
【商品を届ける】というゴールは
無形も有形も変わらないので、そこは不安はなかったです。
ただ、今までは無形商材しか扱ってこなかったので、
資金調達をして在庫を抱える有形商材の経営は未知の世界でした。
だから、電車移動中はずっとAIと一緒に損益計算をしてました(笑)。
「この原価だと、何着売れたら黒字?」みたいな問いを延々と。
女性って、やっぱりすごい
―― ブランドとして、何を大切にしていますか?

Tabeedgeは、
「挑戦する女性を応援するブランド」でありたいと思っています。
いろいろな女性と話していて思うのは、
「女性って、やっぱりすごい」ということ。
みんなそれぞれに輝きを秘めていて、頭が良い。
でも、実際自分が決断する時の材料って
自分が知っている世界の中からしか選べていないことが多かったりします。
選択肢が狭すぎる。
だから、女性にこそ、
もっといろんな国や価値観に触れてほしいと思います。
知らない世界を見ることで、
自分の知見や経験が一気に広がって、
「今の自分では想像もしていなかった選択肢」が見えてくる。
それって、めちゃくちゃ面白くないですか?
そしてきっと、次の世界・次の世代も、その分だけ飛躍していく。
Tabeedgeは、
「そんな私の勇気がもらえる戦闘服。自信をまとった女性になれる。」
そう思ってもらえる服でありたい。
その想いを何より大切にしています。
初めて熟睡できたフライト
―― 実際の旅でパーカーを使ってどうでしたか?

今まで、フライトで熟睡できたことが一度もなかったんです。
周りは薄明るいし、ネックピローも安定しないし……という感じで。
でも、Tabeedgeを着てフライトしたとき、
人生で初めてぐっすり眠れました(笑)
ビッグフードのおかげで視界は真っ暗。
アイマスクいらずで、マスクとフードだけでストレスなく眠れました。
ネックピローもフードの中に収まるので、安定感も増します。
「このパーカー、すごいじゃん」と
自分で作っておきながら、自画自賛しました(笑)
サウジアラビアにいたときにサングラスを忘れてしまって、
砂埃と日差しが強くて「これは終わった…」と思ったのですが、
フードを深くかぶったら顔まわりをカバーできて、
日除けとしても大活躍しました。
ちょっと近くのスーパーに行くときは、
ポケットに財布・パスポート・ルームキーだけ入れて
ファスナーを閉めればOK。
小さなポシェットすら持たずに出かけられるようになりました。
旅には、人間力を育てる力がある
―― 海野さんにとって、“旅”とはどんなものですか?

旅には、人間力を養う力があると思っています。
今、自分が生きている世界って、
実はとても狭いんです。
ある国では、
家を出るときに鍵を閉めない、車の鍵もかけない、という人たちがいます。
理由を聞いたら、
「誰かが食べ物のお裾分けをしに来たとき、入れなかったら困るでしょ?」
と言われて。私たちの生活からすると、ありえない感覚ですよね。
また別の国では、
相手は英語が話せない。
私もその国の言葉が話せない。
つまり、お互いの共通言語がない。
しかも電波がなくて翻訳アプリも使えない(笑)
本当に「なす術なし」の状態でしたが、
その時にふと思ったんです。
「あ〜、赤ちゃんってこんな感じかも(笑)」って。
言葉が通じないことはすごくストレスだけど、
その分、誰かに頼らないと生きていけない。
いざ頼ってみると、みんな本当に優しいんです。
それがすごく温かくて、
「良くしてもらった分、自分も誰かに返したい」と心から思えた瞬間でした。
こういう経験は、
共通言語がある日本の中だけではなかなか得られません。
だからこそ私は、
「もっと外に出てみよう!」と声を大にして伝えたいです。
世界は、行動した人にだけ開く
―― 最後に、「変わりたい」と感じている女性たちへメッセージをお願いします。
変わることは、怖くて当然です。
よく言われるホメオスタシス(恒常性維持機能)って、
変化しようとする時に「今のままでいいじゃん」と
現状維持を好む、脳や身体の機能なんですよね。
でも、
やらずに一生を終えるのは、勿体ない。
怖いなら、
その道を通ったことがある人に話を聞いてみてほしいです。
アドバイスをもらったり、体験談を聞いてみるだけでも、
自分では思いつかなかった解決策に出会えます。
そして、
一歩踏み出すかどうかは「自分次第」
完璧じゃなくていい。
小さくてもいい。
「やってみる」と決めるだけで、
「あれ、意外と簡単じゃん」という感覚が生まれるはずです。
世界は、
行動した人にだけ、ちゃんと開いてくれます。
アパレルは、第一弾にすぎない
―― Tabeedgeとして、どんな未来を描いていますか?

多くの人が、怖さや制限を超えて
「世界に挑戦できる未来」をつくりたいです。
旅って、本当に素敵なものです。
でも現実には、
・未知への恐怖
・金銭的な不安
・仕事の制約
など、さまざまなハードルがあります。
だからこそ、
Tabeedgeがそれらを少しでも和らげて、
「海外に挑戦する女性の背中を押す存在」になりたい。
アパレルは、その第一弾にすぎません。
これからも、
挑戦する女性のための仕組みやプロジェクトを
どんどん形にしていきたいと思っています。