Tabeedgeは日本の職人によって制作されており、そのものづくりをOEMパートナーであるクラフトシップス株式会社様と共に進めてきました。
今回は、クラフトシップス株式会社で商品企画・製作を担当する清水さんに、日本の職人技の価値と「本当にいいもの」とは何かについてお話を伺いました。
―― お世話になっております。宜しくお願い致します。
清水航輝です。
クラフトシップス株式会社で、主にブランド様の商品企画・製作を担当しています。
クラフトシップスの最大の強みは、日本の職人技術に特化していることです。
日本各地の縫製工場・革職人・ニット工場などとネットワークを持ち、細部までこだわるものづくりを得意としています。
その上で、私自身が特に大切にしているのは、ブランドが持つ世界観やコンセプトを深く理解し、それを商品にきちんと落とし込むことです。
商品の仕様を決める際には、細かなディテールや使用する素材、そして制作・生産の背景まで含めて丁寧に考えながら、ものづくりを進めています。
海外生産と日本生産、その違いは“姿勢”
ーー日本の技術の担い手として海外生産と日本生産の違いを教えてください。

海外生産と日本生産の大きな違いは、「ものづくりに対する姿勢」にあると感じています。
海外生産はコストやスピード感に非常に優れており、大量生産にも向いています。サンプル制作や量産においても、日本と比べて倍ほどのスピードで進むケースも少なくありません。
一方で、日本のものづくりの特徴は、一つひとつの工程に対する細やかな気配りです。
「なぜこの仕様なのか」「この一針でどのように変わるのか」といった点を深く考えながら、丁寧に判断を積み重ねていきます。この姿勢こそが、より良いものを作るうえでの日本ならではの大きな強みだと思っています。
そのため、シンプルなTシャツなど、仕様へのこだわりがそれほど多くないアイテムであれば、海外生産も非常に良い選択肢です。
一方で、仕様を細かく決めたい、素材に強いこだわりがある、細部まで気配りが必要なデザインを実現したい、といったブランドにとっては、日本生産のほうが実現確度が高く、理想に近いものづくりができると感じています。
着た瞬間に違いがわかる理由
―― 「一針の違い」で、具体的に何が変わるのでしょうか?

一見すると分からない部分ですが、着心地や耐久性に大きく影響します。
例えば、Tabeedge縫製のステッチ幅。
袖などは6mm幅で縫製し、襟ぐりのように可動域が大きい部分は5mm幅にすることで、動きやすさや耐久性が向上します。
また、通常ならロック処理で済ませる部分を、あえてパイピング仕様にすることで、肌触りを良くし、ほつれを防ぐといった配慮もしています。
こうした細かな判断の積み重ねが、着たときの快適さにつながります。
「鑑賞の美」と「用の美」
――ヨーロッパのものづくりも魅力的だと思いますが、日本のものづくりとの違いはどこにあると感じますか?

ヨーロッパの製品は、見た目の美しさや造形美に優れているものが多いです。
一方、日本は「用の美」という考え方を大切にしています。
つまり、使い続けることで美しくなっていくという価値観です。
着心地や肌触り、使い込んだ後の変化まで考えたものづくりは、日本ならではだと思います。
表からは見えない部分にこそ美しさを宿す。
その感覚が、日本の職人技の強さだと感じています。
美しさと実用性、その両立こそが名品
―― 清水さんにとって「いいもの」とは?

日本製か海外製かに関わらず、
デザイン性と機能性、その両方を兼ね備えているものだと思います。
どちらか一方に振り切ったものも魅力的ですが、
長く愛用できるものは、自然とその両立ができているものが多いです。
実際に私自身、何年も使っている日本製の財布がありますが、
薄くてミニマルなデザインでありながら、耐久性も高く、機能性も十分です。
こうした「使い続けられる理由」があるものこそ、本当にいいものだと思います。
日本のものづくりを、もっと身近な存在に
―― 今後、日本のものづくりに期待することは?
日本のものづくりが、もっと日常に溶け込んでほしいと思っています。
実は、日本人自身が日本のものの良さを知らないケースも多い。
海外に行って初めて気づくのではなく、もっと身近なところで感じられるようになれば、
ものへの愛着や、作り手へのリスペクトも自然と深まるはずです。
ブランドを通じて、日本のものづくりの価値を伝えていけたら嬉しいですね。